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タブレット学習が視力を下げる原因と視力を守る4つのポイント

タブレット学習が子どもの視力を下げる!?上手に付き合っていくための4つのポイント

近年は、学校でICTを活用したタブレット学習が導入されています。新型コロナウイルスの影響で休校や分散登校が増えたことを考えると、タブレット学習はますます当たり前の光景になっていくことが予想されます。

事実、文部科学省は、「2024年までにデジタル教科書を導入する」「小中学生の一人一台端末の整備を進める」と、今後もタブレットを活用した学習を展開する方針を固めています。

(参考「「学校における1人1台端末環境」公式プロモーション動画 」)

そんな状況下で心配になってくるのは、タブレット学習による視力の低下です。

実際、タブレット学習によって授業中に目の負担を訴える生徒や、視力が1.2から0.3に落ちた生徒の事例が、新聞記事で紹介されています。

(参考「児童「目がもうダメです」…学校支給の端末、土日は朝から晩まで使用し視力低下の子も 」)

また、学校のタブレット学習以外でも、子どもの目には負担がかかります。放課後や週末に、youtubeで動画を見たり、ゲームをしたりすれば、当然子どもの目には更なる負担がかかるでしょう。

もちろん、タブレット学習にはいい点もあります。動画/音声による分かりやすい解説や、ゲーム感覚で勉強できる魅力を持ったタブレット学習は、子どもが楽しく学習することを助けます。

大事なのは、タブレット学習と上手く付き合うこと。これからますます普及していくタブレット学習に備えて、目の負担を軽減して視力を守るコツを知っておく必要があります。

タブレット学習が視力を下げる原因

タブレット学習が子どもの目の負担になる原因

そもそも、なぜタブレット学習は目に負担を及ぼすのでしょうか?それは「目は近くのものを見ている時に一番緊張している」からです。どういうことでしょうか?一から詳しく説明します。

私たちの目は、カメラレンズのように外から光を取り込んで、ピントを合わせることによってモノを見ます。そのピントを合わせる時に、重要な役割を果たすのが「水晶体」と「毛様体筋」です。

私たちは「水晶体」の厚さを調節することで、目のピントを合わせています。「毛様体筋」は「水晶体」の厚みを調整するのに用いられる筋肉です。この、「毛様体筋」は私たちが近くのモノを見るか/遠くのモノを見るかによって、緊張状態とリラックス状態を使い分けます。

例えば、近くのモノを見る時、「毛様体筋」は緊張し、「水晶体」は厚くなります。逆に、遠くのモノを見るとき、「毛様体筋」はリラックス状態になり、「水晶体」は薄くなります。

子どもがタブレットで近くを見ながら学習をするとき、「毛様体筋」は緊張状態になります。緊張状態が長い間続くと、目の「毛様体筋」は過度な負担によって凝り固まってしまいます。

そうなってしまうと、私たちの目は「水晶体」を十分に動かせなくなってしまい、結果的に目のピントが合わず、視界がぼやけていきます。いわゆる「目の負担」というのは、このような目の筋肉の緊張が続くことをいいます。

まとめると、タブレット学習が子どもの目に負担をかける原因は、「近くのモノを見るときの目の働きによって、子どもの目に長時間、過度な力がかかってしまうこと」にあります。

(参考「【都市伝説】メガネやコンタクトで視力は落ちるか!? 」)

タブレット学習が視力に与える影響

タブレット学習で子どもに起こる問題

タブレット学習が目に負担をかけることはわかりました。では、子どもにはどのような問題が起こりうるのでしょうか?

ここでは、タブレット学習によって及ぼす影響として、視力の低下、頭痛、ドライアイの3点を挙げたいと思います。それぞれについて、説明していきます。

①視力の低下

まず挙げられるのは、そして最大の問題は、子どもの視力の低下です。子どもの視力の低下は、できるだけ抑えたい問題です。特に、現在近視になっている大人にとっては、「なるべく子どもに同じ道を歩ませたくない」というのが素直な気持ちでしょう。

先ほど紹介したとおり近視の原理は、目の筋肉である毛様体筋が凝り固まることによって水晶体でピントが調整できなくなり、遠くのモノがぼやけるようになってしまうことにあります。

視力が下がったことで子どもが受ける悪影響はきりがありません。

例えば、自分と地面の距離感がつかめず通学路でこけてしまったり、友だちとのドッチボールで飛んできたボールに反応できなかったり、先生の示した解説がよく見えなかったりと、視力の低下は子どもの学校生活に直接関わってきます。そういった観点からも、視力の低下は抑えるべき問題であるといえるでしょう。

②頭痛

二つ目に挙げられる問題は、頭痛です。「タブレット学習で負担がかかるのは目なのに、どうして頭痛なの?」と思う方もいるかもしれません。しかし、目の負担と頭痛とは、密接に関わっています。

眼精疲労という症状をご存知でしょうか?眼精疲労とは、目を酷使することによって、目そのものだけでなく、身体に様々な症状が現れる状態のことを言います。具体的な症状としては、目の疲れや痛み、疲労感、吐き気、肩こり、そして「頭痛」が挙げられます。

なぜ、目の疲れが全身に様々な症状を引き起こしてしまうのでしょうか?それは、目の筋肉と自律神経が関係しあっているからです。

実は、先ほども紹介した目の筋肉、「毛様体筋」は自律神経によってコントロールされています。そのため、目を酷使して毛様体筋が疲れてくると、その影響が自律神経にダイレクトに伝わります。目を使いすぎると自律神経のバランスが崩れ、結果的に全身に悪影響が起きてしまうのです。

目の問題は、頭痛や様々な症状を生み出す全身の問題になりうる可能性があります。子どもが楽しく生活していくためにも、そういった状況になるのは避けたいものです。

(参考「眼精疲労の症状・原因|くすりと健康の情報局 」)

③ドライアイ

三つ目に挙げられる問題は、ドライアイです。ドライアイとは、目を守るために必要な涙の分泌量が減ったり、涙の質が悪くなることで、目が乾燥してしまうことをいいます。ドライアイになると、目の表面の細胞が傷ついたり、目が乾燥したり、モノがかすんで見えたりと色々な症状に悩まされることになります。

パソコンやスマホ、タブレットを見続けることによって発症しやすいドライアイ。その患者数は全国で約2200万人とも言われています。総人口のおよそ6分の1の日本人が抱える、厄介な症状です。

(参考「ドライアイとは?原因から最新の治療まで」)

タブレット学習による視力低下から目を守る4選

子どもの目の負担を軽減するための対処法4選

ここまで、タブレット学習によって子どもに起こりうる問題について書いてきました。どの問題にも共通して言えるのは、目に負担がかかることによって症状が引き起こされているということです。子どもの成長のことを考えると、できるだけ目の負担を抑えたいですよね。

ここでは、子どもの目の負担を軽減するための対処法を、4点ご紹介したいと思います。

①適度に休憩を挟む

タブレット学習で疲れた目を休める1つ目の方法は、「適度に休憩を挟む」ことです。

日常のタブレット学習でディスプレイを見ている時、時折休憩を促して挙げるとよいでしょう。適切な休憩は、目をリラックスさせることに繋がります。休憩のタイミングは諸説ありますが、大体1時間ごとに10分のペースで休憩を挟むのがよいでしょう。

休憩中は、会話をしたりストレッチをしたりと、子どもがなるべく楽に過ごせるようにしましょう。やり方が何であれ、一度画面を見ることから離れさせるのが休憩を上手く取らせるコツです。

また、周りの大人が忙しく、子どもがタブレットを利用しているところを常に見ることができなくても大丈夫。今日では、大人が子どもの利用時間を管理できる、「ペアレンタルコントール」機能を搭載しているデバイスが数多くあります。そういったシステムを活用しながら、普段から子どもの目を疲れさせないようにしていきましょう。

②姿勢に気を付ける

2つ目の方法は、「姿勢に気を付ける」ことです。

普段、子どもは寝そべったり、ソファに深く腰かけて、タブレット学習をしていませんか?子どもが落ち着いた状態で勉強できるなら、それはそれでいいのかもしれませんが、目には負担がかかってしまっている可能性があります。

文部科学省の資料には、子どもがデジタル教材に向かう時の姿勢で注意すべき点を、以下のようにまとめています。

子どもの目の負担を軽減する方法②姿勢に気を付ける

(引用画像:「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」

・児童生徒の姿勢が悪い場合は、タブレット PC の置き方を工夫しても、画面が見えにくいため、まずは児童生徒の姿勢が よくなるように指導します。 机と椅子が児童生徒の体格に合っていないと姿勢が悪くなる ので、机と椅子の高さを児童生徒の成長も考慮して適切に調整します。

・教科書、ノートに加えてタブレット PC を使って授業を行う 場合、机の面積が狭いために児童生徒が無理な姿勢で作業を 行うことがあります。授業の進行に応じて、利用しない教材・ 教具を随時片づけるように指導します

児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック

これは学校での学習を想定して書かれたものですが、ご家庭での勉強にもほとんど同じことがいえるのではないかと思います。

以上の点を注意しながら、子どもの目に負担のかからない姿勢を意識してみてください。

③外に出る

子どもの目の負担を軽減する3つ目の方法は、「外で過ごす」ことです。この方法を聞いて、「当たり前のことじゃないの?」と思う方もいるでしょう。確かに、外で遊んでいれば、モニターを見ることはないので、子供の目の負担は軽減されているといえるでしょう。しかし、それだけの理由でこの方法を紹介しているわけではありません。

実は、「日光を浴びることによって、子どもの近視が抑制できる」という研究が、2012年にオーストラリア国立大学によってなされているのです。

オーストラリア国立大学の研究チームは、東アジアの都市部の子どもに近視が著しく多いことに着目しました。そこで出た結果は、日光を浴びる時間が、子どもの近視率に影響しているというものでした。

例えば、ヨーロッパ系の近視率が10%ほどであるオーストラリアの子どもたちは、一日平均3時間を野外で過ごしているのに対して、若者の10人に9人が近視のシンガポールでは、平均30分ほどしか外にいないということが分かっています。

研究によれば、日光を浴びる時に分泌される「ドーパミン」が、研究結果に関係しているのだそう。脳内物質であるドーパミンの効果によって、眼球が伸びて焦点(ピント)がズレることを防止することができ、結果的に近視の進行が抑えられているそうです。

タブレット学習の合間に、子どもを外に連れ出して、日光を浴びるのもいいのかもしれませんね。

(参考「東アジアの子供に近視が多いのは日光不足が原因、豪大研究」)

また他にも、目が疲れたときに遠くを見ると目が休まるというメリットがあります。

④タブレット用のメガネを買う

目の負担を軽減する4つ目の方法は、「タブレット用のメガネを買う」ことです。

目の負担を軽減するために、専用のメガネを買う方は多くいらっしゃると思います。特に近年流行しているのは、「ブルーライトカット」のメガネです。ブルーライトカットのメガネは、ディスプレイから出る強い光を防ぎ、目の負担を抑えるメガネだとされています。

しかしながら、2021年に日本眼科学会や日本眼科医会などの6団体が発表した声明によれば、子どもがブルーライトカットのメガネを使用することには効果がないどころか、発育に悪影響を及ぼすものであるという意見もあります。

(意見文「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」)

この意見文では、アメリカで提出された論文を根拠に、ブルーライトカットのメガネが眼精疲労を抑える効果がないと示している他、ブルーライトカットのメガネが子どもの発育に必要な太陽光を減らしてしまっているといった指摘も盛り込まれています。

以上のように、ブルーライトカットのメガネの効用には疑わしい点があります。

千里堂のメガネは、ブルーライトカットのメガネではありません。「近くの見え方にこだわったメガネ」です。読書やタブレット、テレビといった、日常、子どもが見る機会の多い2.5メートルの範囲の見やすさを、徹底的に追求したメガネを作っています。子どもが近くのモノを見つめる時、なるべく目に負担がかからないメガネ作りを当店では目指しております。

千里堂では、丁寧な問診によってお客様一人一人にあったメガネを提供しています。千里堂のメガネについて、より詳しく知りたい方に向けた参考記事もございますので、是非ご覧ください。

まとめ

以上、タブレット学習が視力低下になる原因と、タブレット学習によって起こる子どもの問題とその対処法の3つを紹介しました。

この記事のポイント

  • タブレット学習によって、子どもの目には負担がかかっている。
  • タブレット学習は今後も普及していくので、上手な付き合い方を知る必要がある。
  • 子どもの目に負担がかかることによって起こる問題として、視力の低下、頭痛、ドライアイといったものが挙げられる。
  • 休憩を挟んだり、姿勢に気を付けたり、日光を浴びたり、子どもの目にあったメガネを選んだりと、子どもの目の負担を軽減する方法を試してみるのがよい。

現代の子どもは、生まれた時からモニターを見続ける、いわゆる「デジタルネイティブ」世代です。タブレット学習もそうですが、PC、スマホ、テレビと様々な場面で子どもの目には負担がかかっています。

デジタルデバイスと上手に付き合うには、なるべく目に負担をかけないのがコツです。千里堂琴似店では、子どもの目に合わせたメガネを丁寧に作ることによってそのお手伝いができたらと思っています。

当店は、完全予約制となっております。事前に予約の上、ぜひ一度訪ねてみてください。

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