こんにちは!札幌市西区琴似のメガネ店・千里堂です。
月への民間旅行が実現可能になりつつある最近ですが、そもそも宇宙飛行士になるための条件に「視力」があるのはご存じでしょうか?
宇宙飛行士になるために必要な視力など、宇宙飛行士と「眼」にまつわる情報をご紹介します。
目次
宇宙飛行士に必要な視力は1.0以上
結論から言うと、2021年度の時点で宇宙飛行士になるために必要な視力は1.0以上です。
『2021 年度 宇宙飛行士候補者 募集要項』では、以下が書かれています。
「以下の医学的特性を有すること。
・視力 遠距離視力 両眼とも矯正視力1.0以上
・色覚 正常(石原式による)」
『2021 年度 宇宙飛行士候補者 募集要項』
視力は、応募者が医療機関を受診し、その結果をエントリーシートに入力する必要があります。
そのため、医療機関で測定してもらい、視力が1.0以上であると証明する必要があります。
視力が1.0以上の人は多い?
実際に自信をもって「自分の視力は1.0以上絶対にある」と言い切れる方は多くはないでしょう。
PCやスマホが普及するにしたがって、日本は視力が低下傾向にあります。「一般社団法人日本スポーツ栄養協会」では、裸眼視力1.0未満の者の割合が6割を超えています。
『裸眼視力1.0未満の者」の割合は、幼稚園26.06%、小学校34.57%、中学校57.47%、高等学校67.64%で、前年度と比較すると小学校、中学校および高等学校では増加し過去最高。』
『一般社団法人日本スポーツ栄養協会』
裸眼の状態では、宇宙飛行士候補者の募集要項はかなり厳しい状況ですね。
メガネやレーシックをしていても宇宙飛行士になれる
裸眼で1.0以上を保てなくてもご安心ください。メガネやレーシックをしていても、宇宙飛行士になれます!
2021 年度 宇宙飛行士候補者の募集要項では、「両眼とも矯正視力1.0以上」とあるため、メガネをかけた状態で1.0以上あれば宇宙飛行士にはなることが可能です。レーシック手術を受けた方も、「裸眼」に条件・注釈がないため、「両眼とも矯正視力1.0以上」あれば、宇宙飛行士になれますよ。
コンタクトでも宇宙飛行士になれるのか?
コンタクトを着用している方も、メガネ同様に「両眼とも矯正視力1.0以上」であれば、宇宙飛行士になれます。
しかし、コンタクトレンズは、感染症や角膜潰瘍の病気や正しくない使用方法によっては視力自体が悪くなり、コンタクトをしても視力1.0以上にならない可能性があります。
コンタクトを日常的に使用する方は、正しい着用方法を意識して、視力を保つ必要があります。
宇宙飛行士は「色覚」が正常でなくてはならない
ただし、残念ながら色覚に異常がある場合、宇宙飛行士にはなれません。
宇宙飛行士になるためには、医療機関で色覚検査を受ける必要があり、検査方法は「石原式色覚検査」に限られています。
石原式色覚検査とは、「仮性同色表(かせいどうしょくひょう)」を使用し、微妙な色の違いの中から文字・数字を見出し、3秒以内で数字や文字を読めるかを試験紙、色覚に異常がないかを調べられる検査方法です。
曲線をたどるものは10秒かけて試験を実施しますが、どれも数秒で問題が切り替わっていきます。
微妙な色の違いは色覚異常者には区別がつきにくいと言われています。
石原式色覚検査はとても精度が高いと言われているため、「色覚異常なし」と判断されれば、安心できるでしょう。
反対に、「色覚異常」と判断されれば、その時点で宇宙飛行士にはなれません。
早めの診断をおすすめします。
色覚異常は治るのか?
生まれつきの色覚異常(先天色覚異常)は治りませんが、病気・怪我などによる色覚異常(後天色覚異常)は、治る可能性があります。
先天色覚異常は、眼や髪の色と同じで、生まれる前に決まるものです。遺伝子によって決まっているもののため、治療方法はありません。
しかし、後天色覚異常は病気や怪我により色覚に変化ができてしまった状態です。
後天色覚異常の場合、原因となった怪我や病気の治癒状況によっては色覚異常が治る可能性があります。
色覚異常を知るタイミングはほぼない
「先天色覚異常」の方が宇宙飛行士になりたいと思い、1度宇宙飛行士になるための道に進んでしまった場合、その喪失感は計り知れないものとなるでしょう…。
色覚異常は、当人では気づきにくいです。自身では当たり前と思っている物に対して、疑問を持つタイミングはなかなかないためです。
さらに、2002年から小学生を対象とした色覚検査は任意検査になったため、検査するタイミングが減っている現状です。
もちろん、宇宙飛行士を目指している当人が宇宙飛行士の募集要項を確認し、検査を実施する見通しも必要ですが、保護者の方も募集要件を確認し、検査を促す必要もあるでしょう。
なりたい職業に関わらず、幼いうちから色覚異常に気づくことで、「見えにくい色」を把握し、生活に反映させることができるため、早めの検査をおすすめします。
視力を改善・維持する方法はある
視力をよくするには様々な方法がありますが、大きく分けると、3つあります。
- 近くを見すぎず、遠くを見る
- 毛様体筋、首、目の運動、ストレッチをする
- 身体に合っためがねをかける
それぞれ、どんな方法があるかを紹介していきます。
近くを見すぎず、遠くを見る
眼をよくしたい場合、大前提として近視をすすめる行動をとってはいけません。長時間ゲームをしたり、暗いところで本を読んだりすると、近視がすすみます。
姿勢をただし、本などとの距離が近すぎないようにするのも効果的です。
毛様体筋、首、目の運動・ストレッチをする
近くを見すぎると、毛様体筋を酷使してしまい、近視をすすめる要因となります。
毛様体筋を緊張させないために、近くを見た分だけ遠くを見ることが大切です。具体的には、風景のスケッチをすると良いでしょう。
また、首や眼の運動も効果的です。特に眼の運動としてチベットホイールの輪郭をなぞることで供の近視や大人でも老眼にまで効果が出ています。
身体に合っためがねをかける
メガネを視力を補助する器具としか思っていない方、多いのではないでしょうか?
『良く見えないけどカラダに良いメガネ』というものがあります。
実は、一人一人に合ったメガネを正しい用途で使用することで視力の低下を防ぐ効果が確認されています。
宇宙に行くと近くが見えにくくなる?
ところで宇宙ではどのように見え方が変化するのでしょうか。
宇宙飛行士の多くは『より遠くが見えやすくなり、近くが見えにくくなる』と言っています。
老眼・近視・遠視など、眼は遠くや近くが見えにくくなることがありますが、宇宙での見え方はそのどれにも当てはまりません。宇宙に行くだけで視力に変化はないと言われています。
宇宙に行くと近くが見えにくくなる原因は、解明されていませんが、宇宙に長期滞在をした宇宙飛行士は「近くが見えずらい」症状があり、地上に戻ると軽減する事態が発生しています。
2回目の宇宙飛行時にはより症状が悪化する傾向も見られているため、今後、眼と宇宙飛行との関係性が解明された際には注目するといいでしょう。