国家資格「眼鏡作製技能士」のスタッフが在籍する千里堂は、フィッティング・メガネ選びのプロ集団です。
千里堂はセオリーを大事にしつつも、「その人がかけたいメガネを似合うように仕立てるのがプロ」であると考えています。
今回のテーマは「面長顔の人に似合うメガネ」。どんなメガネをかければいいのか悩んでいる方のために、教科書的なセオリーを解説しつつ、フィッティングのプロとしてお伝えしたい極意について言及します。
ただし、ここで触れる「面長顔に似合うメガネ」は、あくまで一般論、セオリーだと思ってください。セオリーがすべてではありません。
そもそも人間は一人ひとり個性がありますから、「顔の形」だけで似合うメガネを決めつけることには限界があるのです。
この記事の独自性としては、面長顔の方が、メガネをかけるときに意識するとよい「ファッション」「髪型」「メイク」について解説している点です。他の解説サイトでは得られない情報や観点も見つかるはずですので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
メガネとコンタクトはどちらがいいか
この記事を読んでいるあなたは、「メガネが似合わないなら、コンタクトにしようかな」と悩んでいるかもしれません。結論からいうと、面長さんに似合うメガネはたくさんありますし、むしろメガネをかけたほうが、顔の形の特徴を強みに変えることができます。
以下にその理由を整理しました。
①面長の人がメガネをかけると顔の印象がやわらぐ
詳しくは後述しますが、面長顔の人は、どうしても顔の印象が強い傾向があります。しかしメガネをかけることで、周囲の人の視線や意識がメガネに向かうため、顔の印象がやわらぎます。これはメガネをかける大きなメリットのひとつです。
②コンタクトは顔の大きさが強調されやすいので注意
一方でコンタクトは、周囲の人の意識を分散させることができないため、どうしても顔のほうに視線が向きやすくなります。もちろん、髪のボリュームを増やす、輪郭をカバーするといったテクニックで緩和することも可能ですが、メガネをかけた場合と比べると、顔の縦の長さの印象が強まりやすくなる点は注意が必要です。
面長顔の特徴とセルフ診断方法
面長顔とは、顔の縦の長さが横の長さよりも明らかに長い、縦長の顔の形のことを指します。一般的に、日本人には比較的多い顔型です。
面長顔の特徴
- 縦の長さ:横の長さよりも明らかに長い
- フェイスライン:頬から顎にかけてのラインがシャープで、縦に長い印象
- 印象:大人っぽく、知的な印象を与える
- 悩み:顔が長く見えてしまう、シャープな印象が強すぎるなど
面長顔かどうかを調べる方法
①メジャーで測る方法
- 髪の生え際から顎の先までの長さを測る(縦幅)
- こめかみの最も高い部分同士の距離を測る(横幅)
- 測った長さを比較する
【判定】
- 縦幅が横幅よりも明らかに長い場合 → 面長顔の可能性が高い
- 縦幅と横幅がほぼ同じで、フェイスラインが丸い場合 → 丸顔の可能性が高い
②鏡を見る簡易的な方法
- 顔の輪郭が縦に長く、横幅が狭く見えるか
- 頬骨よりも顎が尖っているか
- フェイスラインがシャープか
面長顔の魅力
面長顔の強みを活かすために、どんな魅力があるのかを理解しましょう。面長の顔立ちは、すっきりとして知的な印象を与えますが、実年齢よりも老けて見られることもあります。イメージUPするには顔型が持つ“大人なイメージ”を敢えて活かす方法がグッド。
以下に面長顔の魅力を3つにまとめました。
①大人っぽく見られる
顔の骨格がしっかりとしているため、知的で落ち着いた印象を与え、フォーマルな場にも似合います。クリーンなメイクや、シンプルで上品なデザインの洋服がおすすめです。メガネも華美な装飾のないシックなタイプが似合います。
②クールで知的な印象を与える
面長さんは、そのシャープな輪郭からクールで知的な印象を与え、特にビジネスシーンにおいては頼もしさを感じさせることがあります。後述しますが、ウェリントン型やボストン型など、やや角のあるフレームは、知的な雰囲気を演出するのに効果的です。
③エレガントな風格を感じさせる
面長さんは、その洗練された顔立ちから、エレガントで品のある印象を与えます。特に、はっきりとした顔立ちの方は、華やかで目を引く魅力を持っています。とくに女性は、テンプル部分に装飾が施されたり、個性的なデザインのメガネも相性がいいです。
面長さんに似合うメガネの選び方
①フレームの形
面長さんは、そのシャープな輪郭が印象的ですが、メガネ選びによってさらに魅力を引き出すことができます。ここでは、面長さんに特に似合うメガネとして人気の高い「ボストン」と「ウェリントン」について、詳しく解説します。
ボストンメガネ:優しい印象をプラス
特徴 | 丸みを帯びた幅広の四角形で、逆さになった台形のようなフレーム。 |
---|---|
面長さんへの効果 | ボストンと同様に、フレームの縦幅が長めにつくられているため、面長さんの顔のバランスと黄金比に近づけやすいです。ウェリントンメガネは、上品で知的な印象を与え、面長さんの持つ洗練された雰囲気をさらに引き立てます。カジュアルからフォーマルまで、幅広いコーディネートに合わせやすいのも魅力です。 |
②リムの形
面長顔の方にとって、「ブリッジ」と「テンプル」の観点もメガネ選びでは重要です。
【ブリッジとテンプルとは】
- ブリッジ: メガネの左右のレンズを繋ぐ部分です。
- テンプル: メガネのフレームから耳にかけて伸びる部分で、メガネを顔に固定する役割を担います。
面長の方は、顔の縦の長さが目立つため、視線をより下に集めることで、顔のバランスを整えることができます。以下の特徴を持つメガネがおすすめです。
【ブリッジとテンプルが中盤~下方についている】
これにより、自然と視線が下に集まり、顔の縦幅を短く見せる効果が期待できます。
なぜ中盤~下方についているメガネがおすすめなのか?それは、ブリッジとテンプルが下の方に位置することで、視線が自然と下に集まり、顔の縦幅が短く見えるからです。
面長さんにおすすめのおしゃれなメガネ
以下に、千里堂がおすすめする国産メガネブランド「999.9」(フォーナインズ)をご紹介します。
ボストン
ウェリントン
メガネと相性のいい髪型
面長顔の特徴・魅力を生かすには、髪型も重要なファクターです。
メンズ編
髪のトップを強調する髪型は、顔の骨格が強調されてしまうため、できるなら顔の「幅」をカバーする髪型を意識しましょう。
長めのセンターパート
面長の長所を活かしたスタイルにするなら前髪をセンターパートにし、より大人っぽい印象を引き出しましょう。メガネをかけるとグッと色気が引き立ちます。
ロン毛
面長の良さを生かした個性的な髪型といえば、ロン毛です。ロン毛が似合う顔型はけっこう限られているのですが、面長はとくに相性のいい顔型です。ロン毛とメガネを合わせれば、他の人には真似できない独自の雰囲気をつくることができるでしょう。下北沢の古着ショップの店員みたいになれるかも?
レディース編
女性の場合も、顔の幅をカバーする髪型がとてもよく似合います。細かくいえば、次のように整理できます。
- 顔の横幅を出す:顔の縦の長さを目立たせないように、横幅を出すことがポイントです。
- ひし形シルエット:顔周りにボリュームを出して、ひし形シルエットを作ることで、顔のバランスを整えます。
- 前髪を作る:前髪を作ることで、顔の縦の長さを短く見せる効果があります。
- 顔周りに動きを出す:顔周りにカールやパーマを加えることで、柔らかな印象を与えます。
ボブ
ボブとメガネの相性は抜群。「ちょっと幼く見えるかな?」という懸念は、知的な印象を与えるウェリントンやボストンと組み合わせれば解消できますよ。
ミディアム
より垢ぬけた感じを出すならミディアムがグッド。オフィスカジュアルの服装に、トップスやパンツのどちらかをビビッドカラーにして、フレームが太めのウェリントンやボストンと合わせると素敵です。
ロング
やはり迷ったら王道のロング。顔の縦幅をすべてカバーするので、顔の骨格の印象がかなり薄らぎます。太めのフレームのメガネをかければ、さらに意識が散るので、面長の印象はもっと薄らぎます。
セオリーはあくまで参考程度にしよう
ここまで、「面長の人に似合うメガネ」をテーマに解説してきました。
しかしこれはあくまで一般論であり、教科書的なセオリーでしかありません。
そもそも人間は一人ひとり個性がありますから、「顔の形」だけで似合うメガネを決めつけることには限界があるのです。
たとえばよく、「丸顔の人は丸メガネが似合わない」なんて言われますよね。でも、本当にそうでしょうか?
わたし自身、「セオリーで考えるなら丸メガネは似合わないはずなのだが、このお客様はなぜかピタッとはまって素敵に見える」という経験が数えきれないほどあります。セオリーはあくまでセオリーで、選び方の基準をもたらすものでしかないのです。
千里堂にとってメガネは、まず第一に「快適な見え方を実現して目の負担を軽減する道具」です。一方でまた、日々の生活に楽しみをもたらし、自分をもっと好きになるためのファッションアイテムでもあります。
よくあるのが、「わたしってこのメガネは似合わないから」「そもそも自分はメガネが似合わないタイプなので……」という思い込みです。
お客様によくよく話を伺っていると、そうした思い込みって、実は周囲からの意見で形成されたものだったりします。
「似合う」「似合わない」という言葉に一喜一憂する必要はありません。
大切なのは、あなたがどうしたいかということです。周りの意見は参考にしつつ、最終的には自分の直感を信じてみましょう。
似合うメガネを選んでほしい時は「眼鏡作製技能士」の在籍しているお店を探そう
メガネの似合う・似合わないは、「フィッティング」がカギを握っています。
なんとなくいいなと思ってディスプレイのメガネをかけて、鏡を見てみると、「なんか違うな……」とがっかり。そんな経験ありませんか?「メガネが似合わない」と悩む人が100人いたとしたら、そのうち90人が経験するといっても過言ではありません。
ディスプレイに飾られているメガネをそのままかけて「似合わない」のは、ごく当たり前のことです。なぜなら、その人の顔にぴったり収まるようにフィッティングしていないからです。
つまり、本当はフィッティングをすれば似合うメガネなのに、ディスプレイに飾られている状態で「似合わない」と判断している可能性があるわけです。
ですから、けっきょくは「いつものメガネのフレーム」で妥協せざるを得なくなり、いまいちテンションがあがらない、モヤモヤしたお買い物をすることになってしまいます。
フィッティングをしていないメガネで「似合う」「似合わない」を判断していると、本当に自分がかけたいメガネをかけることができず、おしゃれを楽しめなくなります。それってすごくもったいないですよね。
本当に似合うメガネをお求めなら、少なくともフィッティングのプロである国家資格「一級眼鏡作製技能士」の在籍店を選ぶようにしましょう。
千里堂は国家資格「一級眼鏡作製技能士」を保有するスタッフが、正確な理論と長年の経験で、「あなたが本当にかけたいメガネ」をかけられるようにいたします。