クラウンパントは、丸みを帯びた下部と直線的な上部が絶妙なバランスを生み出すメガネフレームです。丸みを帯びたボストンと、直線的なウェリントンの特徴が合わさったシェイプと考えてもよいでしょう。
近年、その洗練されたデザインと高い機能性から、男女問わず幅広い世代に人気を集めています。
この記事では、フィッティングのプロ・眼鏡作製技能士(国家資格)が在籍する千里堂が、クラウンパントの特徴、ボストンとウェリントンとの違い、似合う顔型、人気フレームについて詳しくご紹介します。
またこの記事のオリジナリティとして、「ワンランク上のかけこなしがしたい」という方のために、髪型やファッションなどの工夫方法をご提案しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
クラウンパントメガネの特徴
「クラウンパント」は、丸みを帯びた逆三角形のボストン型をベースに、上部を一直線に断ち落とすことで王冠(クラウン)のような形に見えることから名付けられました。
1950年代に流行した由緒正しいクラシックなメガネで、歴史あるフレームとして、近年再び注目を集めています。
国産メガネブランドでは「TAYLOR WITH RESPECT」がおすすめです。クラウンパントのフレームも充実していますよ。
クラウンパントは、ボストン型の上部を一直線にカットし、直線をプラスした見た目が特徴です。ボストンの持つ柔らかさに、洗練された印象を加えています。直線と曲線を巧みに組み合わせることで、どんな顔型の方にも合わせやすく、幅広いシーンで活躍します。
ボストンやウェリントンとの違い
あらためてクラウンパントの特徴を明確にするために、似ているシェイプ「ボストン」「ウェリントン」と比較してみました。フレーム上部をみればすぐに違いがわかりますよ。
クラウンパントの上部
ボストンの上部
ウェリントンの上部
クラウンパントメガネが似合う顔
丸顔
ボストンやラウンドのような丸いメガネは、輪郭の丸さが強調されてしまうことがあります。それでもクラシックなメガネをかけたいという人には、クラウンパントがおすすめです。
フレーム下半分は丸みを帯びているものの、上部が直線的なデザインになっているため、シャープな印象を与えることができます。
面長
面長の顔型は、スクエアのような直線的で横に長いメガネをかけると、顔の長さが強調されがちです。
しかしクラウンパントなら、ボストンの丸みのある雰囲気で顔の長さをカバーしながら、フレーム上部の直線でシャープな印象を演出できます。
眉が並行の人
メガネのフレームと眉毛の距離は、顔の印象を大きく左右する重要な要素です。バランスが悪いと、間の抜けた印象や老けた印象を与えてしまう可能性があります。
特に重要なのは、以下の2点です。
- メガネ上部のラインと眉毛の形が平行であること
- メガネ上部のラインと眉毛が重ならないこと
これらのポイントを意識することで、より洗練された印象を与えることができます。
クラウンパントの上部フレームは直線なので、もともと眉毛が並行の人と相性がよいです。
「似合わない」と思ったときの工夫
ヘアスタイルを変える
前髪は短くしておでこを出す
前髪が長いと、メガネの印象が強くなりすぎてしまうことがあります。前髪を短めにしたり、横に流したりすると、顔全体のバランスが良くなります。
髪型は全体的に軽くする
クラウンパントは存在感のあるフレームですから、髪型が重いと、くどい印象になります。髪型を軽めにすることで、顔全体のバランスが良くなりますよ。
服装を変える
クラウンパントはクラシックなフレームですので、あまりカジュアルすぎると違和感があるかもしれません。まずはジャケットスタイルを試してみてはいかがでしょうか。古着が好きな方は、1950~60年代のファッションをコンセプトにコーディネートすると面白いかもしれません。
似合うメガネはプロがつくる!眼鏡作製技能士がいるお店でメガネを選んでほしい理由
掛け心地は、メガネ使用の快適性と関わるものです。仕立てが不完全だと、「メガネが重く感じる」「顔にフレームが触れている感触が落ち着かない」といった不快感を与えてしまいます。
また見え心地は、目の疲れ・視力・集中力と関わります。目の位置とレンズの位置がズレていると、正しくものを見ることができないため、目に余計な負担をかけてしまうことになります。
千里堂は国家資格である一級眼鏡作製技能士が在籍し、最適な掛け心地・見え心地を提案いたします。
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おすすめのクラウンパントメガネ
最後に、千里堂が扱っている国産ブランド「TAYLOR WITH RESPECT」から、クラウンパントメガネをいくつかご紹介します。
trim
トリミング加工から命名されたtrimは、軽快なカットリムフレームです。要素を削ぎ落とすコンセプトに基づき、リムの外形をカットし、クラウンパントの形状にデザインされています。モダンなタッチを加えるために、テンプルにはアセテートを使用し、シンプルながらも細部にこだわりを感じさせるフレームです。
diadema
1940年代から1950年代にかけてフランスで人気を博したクラウンパント。やや下がる重心を調整し、顔になじみやすい形状に仕立てられています。
レンズの負担をやわらげるための特殊な金属プレス加工が施されており、これはブランドの哲学に裏付けられた真摯な姿勢の表れです。ディアデマとは、王冠の元になった鉢巻(はちまき)を意味しています。
bacchus
クラウンパントフレーム「diadema」の2つのサイズダウンバージョンです。鉢巻をモチーフにした「diadema」に由来し、ブドウの冠を象徴するローマの神バッカスから名付けられました。バッカスはギリシャ神話のデュオニュソスと同一視される神です。フレームの上部に平らなラインと過度に大きくないレンズ形状が特徴で、顔に馴染むデザインです。
dune
砂丘から見る地平線がインスピレーションとなったクラウンパントのデザイン。アセテートフロントには、調整可能なチタンヨロイと弾力性に富むβチタンテンプルが組み合わされ、掛け心地が向上しました。モデル名には、ホドロフスキーの未完の大作である映画『DUNE』へのオマージュが込められており、ダブルミーニングの思いが込められています。
void
デューンの影響を受けたデザインから、F・ハーバートの『デューン砂の惑星』にインスピレーションを得たフレームです。このフレームデザインでは、強度を補うためにオリジナルのパーツであるT-スパイン(脊椎)を採用しており、プラスチックとメタルが組み合わさることで、より高級感のある表現に仕上げられています。
relief
浮き彫りの彫刻から着想を得たフレームです。フロントの縁に段差を設けることで、立体感を強調したデザインに仕上げました。さらに、段ごとに異なる表面処理を施すことで、遠くからでも観る者により鮮明な印象を与えます。程よい個性を表現したい方にお勧めのフレームです。
mesa
美しい単純な形を追求した、ディアデマとバッカスの中間サイズのクラウンパントゥがコレクションに加わりました。厚みのあるレンズに対応する設計は、クラウンパントゥの新しい試みです。名前の由来は、5,000万年の時を経て侵食された地形を表すスペイン語の「メサ」です。