千里堂はメガネのフィッティングのプロ集団です。これまで数えきれないお客様と関わるなかで「わたしってメガネが似合わないから……」と諦めている方や、似合わないと思い込んでいる方が実に多くいらっしゃいました。
話を聞いていると、そもそも似合うメガネに対する考え方が誤っていることがわかりました。
そこでこの記事では、「メガネが似合わない」をテーマに取り上げます。しかしよくある解説のように「顔の形に合ったメガネを選びましょう」という一般論よりも、さらに一歩踏み込んだ本質的なお話をしていきます。
この記事を読んだあなたは、きっと「はじめて聞いた」と驚くかもしれません。なぜならメガネの似合う・似合わないを決めるのは、顔の形やメガネフレームの形状よりも、顔の形にフレームを調整する技術(フィッティング技術)だからです。
だから千里堂では、「あなたの好きなメガネフレームを自由に選んでください」と薦めます。お客様のかけたいメガネを似合うメガネに仕立てるのは、わたしたちプロの仕事です。
1. メガネが似合わないと感じる原因6つ
以下の6つに整理しました。
- フィッティングをしていないメガネをかけて鏡を見ている
- メガネをかけた自分に見慣れていない
- 顔の幅とメガネの幅が合っていない
- メガネのフレームと眉毛の形が合っていない
- 髪型とメガネが合っていない
- ファッションとメガネが合っていない
特に①はさっそく本質的な話に切り込んでいるので必見です。多くのお客様が「はじめて聞いた」と驚く部分でもあります。さっそく詳しくみていきましょう。
①フィッティングをしていないメガネをかけて鏡を見ている
なんとなくいいなと思ってディスプレイのメガネをかけて、鏡を見てみると、「なんか違うな……」とがっかり。そんな経験ありませんか?「メガネが似合わない」と悩む人が100人いたとしたら、そのうち90人が経験するといっても過言ではありません。
ディスプレイに飾られているメガネをそのままかけて「似合わない」のは、ごく当たり前のことです。なぜなら、その人の顔にぴったり収まるようにフィッティングしていないからです。
つまり、本当はフィッティングをすれば似合うメガネなのに、ディスプレイに飾られている状態で「似合わない」と判断している可能性があるわけです。
ですから、けっきょくは「いつものメガネのフレーム」で妥協せざるを得なくなり、いまいちテンションがあがらない、モヤモヤしたお買い物をすることになってしまいます。
フィッティングをしていないメガネで「似合う」「似合わない」を判断していると、本当に自分がかけたいメガネをかけることができず、おしゃれを楽しめなくなります。それってすごくもったいないですよね。
千里堂は国家資格「一級眼鏡作製技能士」を保有するスタッフが、正確な理論と長年の経験で、「あなたが本当にかけたいメガネ」をかけられるようにいたします。
②メガネをかけた自分に見慣れていない
はじめてメガネをかける方や、コンタクトを常用している方は、メガネをかけている自分自身に見慣れていないため、「メガネが似合わない顔なんだ」という先入観を持っている可能性があります。
「あなたってメガネが似合わないよね」という一言を気にしている方もいます。でも周囲の人も、単純にあなたのメガネ姿に見慣れていないだけかもしれません。
どちらにせよ、フィッティングは重要です。フィッティングがいまいちのメガネをかけると、「おや?」と違和感を抱くことは間違いありません。「フィッティングが微妙なメガネをかけ続けたせいで、自分はメガネが似合わない」と思っている場合も十分に考えられますね。
③顔の幅とメガネの幅が合っていない
これもフィッティングに関わるお話です。イメージのなかでは「自分に似合いそうだな」と思ったのに「なんか違和感あるな……」と思ったときは、まずは顔の幅とメガネの幅を確認してください。
●レンズ部分の天地幅:眉からあごまでの長さの1/3以内: レンズの上下幅は、顔の縦の長さのバランスを調整する上で重要な要素です。
●フロント横幅:顔幅とほぼ同じ: 顔の横幅に合わせたフレームを選ぶことで、バランスの取れた印象になります。
④メガネのフレームと眉毛の形が合っていない
たとえばキリッと鋭角な眉毛に、丸メガネ(ラウンドメガネ)をかけると違和感が強くなることがあります。メガネと眉毛のバランスが悪いと、メガネが似合わなく見えるのです。
メガネと眉毛のコツ
- メガネ上部のラインと眉毛の形が平行: メガネの上部と眉毛が同じようなカーブを描くことで、自然な一体感が生まれ、顔全体のバランスがよくなります。
- メガネ上部のラインと眉毛が重ならない: メガネと眉毛が重なりすぎると、眉毛が強調されすぎてしまい、不自然な印象を与えてしまうことがあります。適度な間隔をあけることで、すっきりとした印象になります。
メガネフレームと眉毛の距離が空いていると、間の抜けた印象になったり、平行ラインのフレームに、キリっとした眉毛だとキツそうな印象になったりします。似合うメガネ選びにおいて眉毛の形はけっこう重要です。今度からぜひ意識してみてくださいね。
⑤髪型とメガネが合っていない
髪型の雰囲気とメガネも関係があります。たとえば、前髪を下ろした状態でフレームの太いメガネをかけると、重たい印象やもっさりした印象になってしまいます。しかし前髪をあげてみると、だいぶ雰囲気が変わります。
「こんな髪型にはこんなメガネが似合う」という理論があるわけではありません。細かいことは気にせず、まずはあなたのかけたいメガネにチャレンジしてみてください。そのうえで、メガネに合う髪型を考えてみるのがいいと思います。
⑥ファッションとメガネが合っていない
顔とメガネだけをみると似合っているように見えても、全身鏡でみると違和感がある……そんなときはファッションとの調和を見直してみるといいかもしれません。メガネはファッションアイテムの側面もありますから、服装との相性、服のカラーとフレームのカラーなど、トータルで考えて工夫してみてくださいね。
一例をあげると、スクエアフレームはスーツ姿にバシッと決まりますが、古着ファッションではちょっと浮いてしまうかもしれませんね。しかしこれはあくまで一例です。個人差がありますので、ここで大切なのは「自分のファッションと相性のいいメガネフレームは何だろう?」という問いかけです。そこに創意工夫の楽しさがあります。
2. 自分に似合うメガネを見つける方法
似合うメガネを見つけるための方法を、4ステップに整理しました。
ステップ1:自分がかけたいメガネを明確にする
多くの解説記事では「顔の形を把握しよう」と提案していますが、フィッティングのプロ・千里堂としては「最初は細かいことは気にしなくていいから、まずは自分が憧れているメガネを選んでください」と言いたいです。
あなたがかけたいメガネを、似合うメガネにするのがプロの仕事です。千里堂でメガネを選ぶときは気兼ねなくご相談ください。
ステップ2:顔の形を把握する
やや抽象的な言い方になりますが、いいメガネ選びは、「自分を知ること」と関係しています。不思議なものでメガネというのは、その人の性格、気質、服装、顔の形などで、相性が変わってきます。
顔の形を知るということは、顔の特徴・個性を理解することと同じ意味です。どんな丸顔・四角顔・三角顔・卵型・面長など、人それぞれ個性があります。自分の傾向を知っておくと、メガネ選びの深みが増すことは間違いありません。
ただしあくまでも「顔の形の特徴を知る」程度で大丈夫です。「この顔の形にはこのメガネ」という解説が色々とありますが、それだけがすべてではありません。基本的にはあなたがかけたいメガネを軸に選んでいくことを推奨します。
ステップ3:メガネをかけるシチュエーションを明確にする
意外に見落とされがちなステップです。ビジネスシーンで使うメガネなのか、プライベートでかけるのか。それとも仕事とプライベートの両方で使いたいのか。運転のときだけかけるのか。
シチュエーションは様々ですが、似合うメガネは使うシチュエーションによっても影響を受けるので、ぜひ検討してみてくださいね。
ステップ4:フィッティングのプロに相談しながらフレームを選ぶ
この見出しのテーマは「自分に似合うメガネを見つける方法」ですので、単刀直入にいうと、自分で選ぶよりもフィッティングのプロに相談したほうがいいです。そのほうが悩まず手間をかけずに、自分に似合うメガネを見つけることができます。
ただし注意が必要です。あらゆるメガネ店にフィッティングのプロがいるわけではありません。メガネ店の価格帯とフィッティング技術は、多かれ少なかれ関係があるということを覚えておいてください。
3. メガネ選びのよくある間違い3つと解決策
最後に、自分に似合うメガネを見つけるうえで、多くの人が間違っている考え方・認識について解説します。これを読めば、後悔しないメガネ選びのコツを抑えることができるはずです。
間違い①安いメガネも高いメガネも同じ
長年接客していて痛感するのが、多くのお客様が「安いメガネと高いメガネの違いがわからない」ということです。メガネ業界が“いいメガネの価値”をしっかりと伝えられていないということも理由としてあるかもしれません。
いまこの記事を読んでいるあなたにぜひ伝えたいことは、低価格のメガネと高価格のメガネには「質」の点で明確な違いがあるということです。
そして実は、似合うメガネを選ぼうとしている人にとって、メガネの価格はきわめて深い関係のある話なのです。
なぜなら、次の違いがあるからです。
- 低価格帯のメガネ:フレームに融通性がなくフィッティングが難しい。つまりフィッティングが前提でつくられていない=「似合うメガネ」に近づけることが難しい。
- 高価格のメガネ:細かいフィッティングができるように柔軟性のあるフレームでつくられている。かけたいメガネを似合うメガネに仕立てやすい。
メガネのクオリティや耐久性の点においても、メガネの価格で大きな違いがあります。詳しくは千里堂の本店の記事『「高いメガネ」と「安いメガネ」の違いは?品質・サービスの観点から解説。』をご覧ください。
ちなみに千里堂は、すでに所有しているメガネフレームのお持ち込みを歓迎しています。
「デザインが気に入っているからこれを使い続けたい」「安く手に入れたフレームを使えないだろうか」というご要望がある方は、お気軽にご相談ください。すにでお持ちのフレームを、“より似合うように”仕立てることも可能ですよ。(※フレームの強度によって限界があります)
解決策:まずは定番のメガネブランドを知ろう
もちろん「高価格のメガネを買うべき」とまでは言いません。選択肢の一つとして、いいメガネを取り揃えているメガネ店を検討してみてくださいね。では具体的にどんなメガネがあるのかといいますと、以下に一例を挙げます。
【海外ブランド】
- オークリー(Oakley)
- ディータ(DITA)
- レイバン(Ray-Ban)
- ポールスミス(Paul Smith)
- ローデンストック(RODENSTOCK)
- シャネル(CHANEL)
- カルティエ(Cartier)
など
【国産ブランド】(千里堂イチオシ!)
- 999.9(フォーナインズ)
- TAYLOR WITH RESPECT
- STEADY
- BCPC(ベセペセ)
- YELLOWS PLUS
千里堂は国産メガネの聖地「鯖江」でつくられたメガネを扱っています。丁寧な職人技でつくられたフレームが、精密なフィッティングを可能とするからです。
間違い②どのメガネ店でもスタッフのレベルは同じ
次はスタッフの質のお話です。
これまで国家資格「眼鏡作製技能士」について触れてきましたが、すでにお察しの通り、メガネ店によってスタッフのレベルに違いがあります。
具体的にいうと、次のような点で知識・経験・技術に差があります。
- 似合うメガネを選ぶセンス
- メガネに関する体系的な知識
- 似合うようにメガネをフィッティングする技術
- メガネがズレないようにフィッティングする技術
- 快適にメガネをかけるための度数の提案
など。
解決策:国家資格「眼鏡作製技能士」が在籍しているメガネ店を体験してみよう
ではどんなメガネ店に絞ればいいのかといいますと、先ほども紹介した国家資格「眼鏡作製技能士」のスタッフが在籍している店舗を優先的に探してください。一流のフィッティングのプロですから、安心して似合うメガネの相談ができるはずです。
間違い③顔の形に合うメガネは決まっている
先ほども触れましたが、「顔の形に似合うメガネの定番」という一般論は、あくまで参考くらいにとどめておくとよいでしょう。
もちろん、セオリーは大切です。セオリーがあってのアレンジがあるわけですから。しかし検索で調べると出てくる「こんな顔にはこんなメガネがいい」という話を真に受けすぎる必要はありません。
たとえばよく「丸顔の人は丸メガネが似合わない」なんて言われますよね。でも、本当にそうでしょうか?実は、顔の形だけでなく、大切なのはメガネのサイズ感です。
丸顔の人が必ずしも丸メガネが似合わないわけではありません。大切なのは、あなたの顔の形だけでなく、雰囲気や個性を考慮することです。
わたし自身、「セオリーで考えるなら丸メガネは似合わないはずなのだが、このお客様はなぜかピタッとはまって素敵に見える」という経験が数えきれないほどあります。セオリーはあくまでセオリーで、選び方の基準をもたらすものでしかないのです。
千里堂にとってメガネは、まず第一に「快適な見え方を実現して目の負担をやわらげる道具」です。一方でまた、日々の生活に楽しみをもたらし、自分をもっと好きになるためのファッションアイテムでもあります。
靴や服を選ぶように、メガネも自分の個性やスタイルに合わせて選ぶべきだと考えています。
解決策:まずは千里堂に相談してみよう!
千里堂はあなたに似合うメガネを見つけるプロフェッショナルです。メガネを選ぶということは、新しい自分に出会うということ。
千里堂は、
- 人からどんなふうに見られたいか
- どんなシーンでかけたいか
- どんなファッションが好きか
- そもそも人としてどんな雰囲気を持っているか
といった情報を総合して、あなたが「これだ!」と思える一本を見つけるお手伝いをいたします。
メガネ選びで悩んだら、ぜひ一度ご相談ください。あなたの魅力を引き出す、そんなメガネ選びを一緒に楽しみましょう!